子ども時代を過ごした町でのびのび子育て
息子さんが2歳を過ぎた頃から、新築を検討し始めたAさんご夫妻。「私の実家がある住宅街は、夫も中学まで過ごしたなじみのある場所。緑が多く閑静な環境も子育てにぴったりだと考え、空いている宅地を探しました」。そして、2017年にご夫妻は希望エリアで約95坪の土地を見つけ、購入しました。土地探しと並行し、新築の依頼先も検討。住宅雑誌やインターネットで情報を集めましたが、なかなか「ここだ」という決め手は1年経っても見つかりませんでした。
「そんな僕たちを見かねた両親が、ニセコで新築した時にお世話になった高杉工務店に相談したらと、アドバイスしてくれました」と、Aさんは当時を振り返って語ります。両親の住まいをよく訪れていたご夫妻は、すぐに高杉工務店へ。既に「ニセコの家」というイメージを共有できたこともあり、家づくりの疑問点なども具体的に聞くことができたそう。ご夫妻は同社に新築を正式に依頼し、手掛けている現場やモデルルーム、オープンハウスを見学。少しずつ目指すマイホーム像を頭の中で膨らませ、2019年の春からプランづくりを開始しました。
平面が立体になっていく楽しさを現場で体感
ご夫妻の要望は「家族がどこにいても気配を感じられる、空間のつながりがある住まい」。友人も多く、時には10人ほどが集まって休日を過ごすことも珍しくなく、たくさんの子どもたちが自由に駆け回れる住まいにしたいと考えていたといいます。
内装には木をできる限り用い、キッチンにはモールテックスを採用。土間を設けたリビングには、災害の備えにもなる薪ストーブを設置したいと希望。高杉工務店は、地元の素材である札幌軟石を薪ストーブまわりや外壁に採用することを提案しました。「軟石の雰囲気は大好きだったので、それを上手に生かした提案はとても嬉しかったです。採石場へも見学に行き、気に入った大きな石材は庭づくりにも生かすことにしました」と、Aさん。
7月から施工が始まると、奥さんは息子さんを連れて、現場にもしばしば足を運びました。「平面のわが家が通うたびに立体になっていく様子に感動しました。現場の様子を目の当たりにした子どもは、高杉さんみたいなカッコいい大工さんになりたいって目を輝かせていました」と、奥さんは施工中の思い出を語ってくれました。
隅々にまで行き渡る暮らしやすさへの配慮
完成見学会の温もりがほんのりと室内に残る2020年1月、Aさん一家は新居に引っ越しました。「吹き抜けのある住まいは開放的で広々しているのに、2LDKの旧居と暖房費が同じだったんですよ」と、奥さん。それもそのはず、技術力が数値として表れる項目のひとつである気密性能(C値)が、これまでの最高値0.2を記録。「今までと同じようにほかとのコストバランスを考えて性能を決めているので、次世代省エネレベルの数値はいい意味で想定外でした」と、高杉寿士代表は笑顔で語ります。
また、デッドスペースを生かした階段下収納、カーテンで間仕切りするユーテリティの壁面収納、ルーバーで目隠しした2階の物干しスペースなど、空間使いの巧みさにも奥さんは驚いたそう。残った材料を生かした造作も多く、仕事が創意工夫に満ちてとても細やかです。「ダイニングテーブルも造作ですが、天板には電気コードを通す穴があけてあり、下にはコンセントも完備。高杉工務店の良さが凝縮されたようなテーブルは、子どもの勉強や私のミシン仕事にも重宝しています」と、奥さんが嬉しそうに語ってくれました。