若い夫婦が挑んだ子育ての家づくり
鉄のまちとして知られる工業地帯・室蘭。その高台の分譲地に、若い夫婦の家が完成しました。周囲でもひときわ目立つ緑の三角屋根と木製のデッキが、Kさん宅の目印です。
「25歳で自分の家が持てるとは思っていなかったんです」と語る奥さんは札幌出身。仕事の関係で引っ越してきた室蘭で、ご主人と出会い結婚。今ではお子さんにも恵まれ、来春には第二子が誕生予定です。若い夫婦のスタート地点は賃貸アパートでした。しかし子どもが生まれると、集合住宅で周囲に気を使いながらの子育てはなかなか難しく、ご主人と相談し、思い切って家を建てようとなった時に見つけたのが、高台にあるこの土地です。「窓の外に山が見えて、坂が多く、住宅街を見下ろすこの景色が、どこか実家の風景に似ていたんです。偶然かもしれませんが、なんとなく縁があるような気がしています」。原風景とも言える生まれ育った土地との共通点が、奥さんにとっても馴染みやすい印象を与えてくれました。
土地の特性を生かした理想の家を工務店で
新築をお願いしたのは、室蘭で堅実な家づくりを進めている川田建設工業。気候風土を知り尽くした地元の工務店ならではの家をつくってくれると感じたからです。また、将来のメンテナンスやリフォーム相談など、長いお付き合いができるのも、地域工務店の魅力と考えました。
「室蘭は、気温だけみると道内でも暖かいほうなんですが、海からの冷たい風が吹き、土地に高低差もあるため、体感気温は思った以上に低いのに驚きました」と奥さんも室蘭特有の寒さに最初は戸惑ったそう。そのため、性能にもこだわり、高断熱・高気密で省エネな長期優良住宅基準の家としました。その土地の気候に合った性能とコストバランスを生かした家づくりで、寒暖の差が激しい秋の端境期も室温は一定で、快適な空間です。
デザイン面でこだわりを見せたのはご主人です。全体のコンセプトは「アメリカンレトロ」。玄関先には昔のアメリカ映画で見たような木のデッキを設け、内装には無垢材をはじめ風合いのある木を使いました。玄関の壁には床材をモザイクのように張ってアクセントに。リビングの壁にもパインの床材をヘリンボーン張りにして、変化をつけています。鉄のまちを意識して、階段はアイアンと木板を使ったインダストリアルなデザイン。キッチンやトイレ、洗面所などにはデザインタイルを採用して、遊び心を持たせた空間に仕上げたのが個性的です。
自分たちらしい家で地域に根ざした暮らし
「賃貸暮らしではできなかったことができて、楽しかったです。注文住宅は、間取りはもちろん、壁紙やタイルなど、細かな部分まで自分たちの好みに合わせた仕様にできるので、ああしたい、こうしたいと色々アイディアが湧きました。そして戸建てなら周囲に気兼ねすることなく、子どもたちものびのびと遊べるようになり喜んでいます」とご主人も完成したわが家に大満足の様子です。
近所にはご主人の実家や、子育て先輩のお姉さん一家も住んでいて、奥さんにとっては頼れる存在。一人知らない土地に引っ越し、そこで家族が増え、心地よい理想の家を手にいれた奥さんにとって、今度はここが大切な「ふるさと」になっていくことでしょう。